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無垢材とは?集成材との違いや特徴、木の種類を紹介

2019.04.24

家を新築やリフォームするとき、「無垢材を使いたい」という方は多いです。そもそも無垢材とはどのようなものなのでしょうか?

無垢材の基本やメリット・デメリット、木の種類の違いや特徴を解説します。無垢材を内装に使ったリフォーム事例も紹介するので、参考にしてみてください。

 

 

「無垢材」と「集成材」の違いとは?

例えば同じスギでも「スギの無垢材」と「スギの集成材」があるので、「いったいどう違うの?」と疑問に思ったことがある方も多いかと思います。

 

「無垢材」とは、丸太から切り出して乾燥させた木材のこと。

「集成材」とは、木の板を接着剤で貼り合わせて作った素材です。

どちらもスギ、ヒノキ、パイン、チェスナット(クリ)、オークなど、さまざまな樹種が元になって作られています。

 

集成材だと見た目の悪い材も間にはさんでしまえば見えないので、無駄がありません。そのため値段が安いことも多く、取り扱いも簡単なのでよく使われています。木材の良さを存分に味わえるのは、無垢材。さまざまなメリットがあるので見ていきましょう。

 

無垢材の特徴とメリット

・木の風合いを楽しめる

無垢材は、丸太からの切り出し方によって、一枚一枚木目がちがってきます。経年とともに色やツヤが変化していくのが楽しめるのが、無垢材の魅力。新しい無垢材も良いですが、10年後、20年後の無垢材もどんどん味が出て美しくなっていきます。

 

・夏は涼しく、冬は暖かい

例えば、無垢材をフローリングに使った場合。夏、無垢材の床に寝転ぶとひんやりしていて気持ちよく、冬は足元が冷えません。これは木材は「熱伝導率が低く、熱を伝えにくい」という特性をもっているからです。無垢材を家に使うと、暑さや寒さの影響を受けにくく、快適にすごすことができます。

 

・湿度を調節してくれる

木材は周りの湿度が高いときには水分を吸い、乾燥していると水分を放出します。無垢材を建物に使うと、室内の湿度をほどよく調節してくれる効果があります。

 

・カビ、ダニ、虫に強い

木の調湿効果により、無垢材を使った家ではカビが発生しにくいです。また、木の精油成分には防虫効果や、カビの増殖を抑える効果もあります。

 

・リラックス効果がある

無垢材は、自然な木の香りが楽しめます。木の香りのもとである「フィトンチッド」という成分には、癒やしや消臭の効果があります。また、無垢材のフローリングを裸足で歩くと、ほどよい温もりと心地よい肌触りが気持ち良く、リラックスさせてくれます。

 

無垢材のデメリット

・傷がつきやすい

無垢材は集成材や複合フローリングなどの素材に比べると、柔らかく傷が付きやすいです。しかし、表面の塗装がいたんできたら再塗装を施して長持ちさせることができます。ついてしまった小さな傷はサンドペーパーで少しだけ表面を削ったり、大きな傷は水分を含ませて膨張させて元に戻したりといった方法で補修もできます。

 

・汚れがつきやすい

無垢材は水分を吸収するため、汚れがつきやすいことも。汚れがついたらすぐにふきとりましょう。ついてしまった汚れは、クリーナーで汚れを落とす、サンドペーパーで削る、ワックスをかけるなどでリペアが可能です。

 

・水に弱い

無垢材は水を吸収します。そのため多量の水を吸ってしまうと、材の変形や割れなどにつながることがあります。

水をこぼしてしまったら、すぐに乾いた雑巾などで拭き取るようにしましょう。

 

樹木の種類による違い・特徴

無垢材は元となる樹木の種類によって、質感や色、香りなどがまったく違ってきます。よく内装に使われるのが、オークやチーク、パイン、ヒノキ、スギなど。聞いたことがある名前もいくつかあるのではないでしょうか。好みによって樹種をセレクトするのも、無垢材の楽しみのひとつです。

 

 

オーク

写真/豊北木材工業株式会社

「オーク」は家具や床材などによく使われる、ブナ科の広葉樹です。上の写真で使われているのは「ホワイトオーク」の無垢材。

オーク材は元々ウイスキーの樽などにも使われる木材で、耐久性が高く木目が美しいのが特徴。色が白っぽく、経年とともに少しずつ濃くなり褐色に近づいていきます。

 

サクラ

写真/豊北木材工業株式会社

サクラ材は、少しピンクがかった色が特徴。だんだんと色が濃くなっていき、艶もでてきます。木目はそこまでくっきりとしておらず、すべすべとした心地よい手触りです。

 

チーク

チーク材は世界三大銘木に数えられる高級な木材です。昔から高級列車などの内装にも使われてきました。美しい木目が特徴で、強靭な耐久性も持ち合わせています。

無塗装でも光沢があり、経年とともに色の深みや光沢が増していきます。水や虫などにも強いのでお手入れもしやすい素材です。

 

ウォルナット

写真/豊北木材工業株式会社

よく建具や家具などに使われる、クルミ科の広葉樹です。黒に近い茶色をしていて、色味が濃いのが特徴。経年とともに色は少し薄くなっていきます。高級感のあるシックな雰囲気で人気があります。衝撃にも強く、加工後の狂いも少ない材です。

 

スギ

日本を代表する木材。温かみがあり、やさしい肌触りと爽やかな香りが特徴です。

比較的リーズナブルなのも嬉しいポイント。乾燥に時間と技術が必要なので、上手に使える業者に頼むのがおすすめです。

 

ヒノキ

写真/豊北木材工業株式会社

こちらも日本でよく使われる木材です。スギに比べると硬く、強度があります。美しい光沢や、独特の香りが好まれる理由。腐朽菌にもシロアリなどにも強いので、建築材として優れている材です。

 

パイン

温かみや柔らかさ、模様などがスギとも似ています。比較的リーズナブルなので、よく使われる木材です。白っぽい黄色で、経年とともに艶が出てきます。北欧系やナチュラル系、カントリー系などのインテリアによく合います。

 

メープル

繊細な木目が特徴で、色合いは明るい乳白色。経年とともに飴色へと変化していきます。重く硬い材質で、カナダなどの北米ではよく家具や床材などに使われてきました。明るいソフトな色合いなので、部屋の中がぱっと明るい雰囲気になります。

 

タモ

オーク材と似た見た目で、はっきりとした木目が特徴です。反発力が強く折れにくいので、野球のバットにも使われています。色はナチュラルで明るく、カジュアル感を出したいときにもピッタリです。

 

無垢材を内装に使ったリフォーム事例

実際にリフォームで無垢材を取り入れたお宅を紹介します。今回紹介するのは、LDKの内装に無垢材を取り入れた事例です。

 

▼Before

写真/ひろしまの家|豊北木材工業株式会社

 

▼After

写真/ひろしまの家|豊北木材工業株式会社

リビング・ダイニング・キッチン全体にふんだんに無垢材を取り入れました。明るい色の木材を使用しているので、部屋全体がパッと明るい雰囲気に。無垢材なので、あたたかみのある空間になりました。

Before写真と比べてみると、同じ家とは思えない仕上がり!内装をリフォームしただけなのに、まるで新築のような住まいになりました。

今は新しい無垢材の良さを感じられますが、経年とともに少しずつ色や艶が変化していきます。ぜひこれから家族の成長といっしょに、木の味わいも楽しんでいただきたいです。

 

まとめ

木材ならではの味わいを楽しめる無垢材。素材となる木によって、色や質感、香り、かたさ、肌触りなどがまったく異なります。お気に入りの木材を見つけて、おうちづくりに取り入れてみませんか。